聞き耳を立ててみたら                             

聞き耳でこんなんありました、というのは真っ赤な嘘であります。
ヒアリングを最も苦手とする亭主にわとりは、DVDの「英語字幕」というのに大変感謝しております。
聞いて分からない英語も、字で見て辞書ひけば、かつすでに映画を幾たびも見ていれば、なんとかなったりするのです。
ビバ義務教育。フザーDVD!

もちろん字幕に文句つけているわけではありません。字数も時間も限られた、制限の多い大変な作業なのは分かっております。普段は俳優さんの生声が聞きたいので大抵字幕のお世話になっています。ただほら、実際はなんて言ってるのか気になるじゃありませんか〜。
それにこなれた日本語にするために、吹き替えでも消えた表現とかありますので、そういうのを見てみたかったのです。

しかしじりじりやっていたら、夏休みの宿題とか思い出しました。
あのころこれだけやる気があったら、もう少しいい成績取れただろうに_| ̄|○ 

 

★まずは、この映画で一番気になったところすなわち「ムシ」のシーン

原文 拙訳byにわとり
Jack: Do you see those two weeviles,Doctor?
ジャック:そこの二匹のコクゾウムシ(ウィービル)が見えるかね、ドクター?
Stephen:I do. スティーブン:うん。
Jack: Witch would you choose? ジャック:どちらを選ぶ?
Stephen: Neither.There's not a scrap of difference between them.They's the same species of curculio.
スティーブン:どっちもいらないね。いささかの違いもない。どちらも同じゾウハナムシ種だ。
Jack: If you had to choose..if you were forced to make a choice. if there was no other response but to.. ジャック:もし選ばなきゃならないとしたら、強制されたら?他に選択肢がないとしたら…
Stephen:Well.then,if you're going to push me. I would choose the right-hand weevil.It has significant advantage in both length and breadth. スティーブン:分かったよ、どうしてもというなら。右手のコクゾウムシを選ぼう。丈も幅も優勢のようだ。
Jack: There! I have you! You're completely dished. Do you not know that in the service...one must always choose the lesser of two weevils? ジャック:やったぞ!一杯食わせた!きみは完全に一本とられたぞ。軍隊ではこう言うのを知らないか?「常により小さい害悪(イービル)を選べ」さ。
Stephen: He who would pun would pick a pocket. Really. "Weevils". スティーブン:ダジャレでスリを働く気か。(←ここ怪しいです)まったく。「ウィービル」か。
Jack: To the lesser of two weevils.  ジャック:小さい方の虫(ウィービル)に。
All: To the lesser of two weevils! 皆さん:小さい方の虫(ウィービル)に。

このシーン、気になった方も多いと思います。だって、字幕だとシャレになってない(笑)。いくらダジャレのラッキー・ジャックでもこれはあんまりだ。そう思って調べてみたら、コクゾウムシ(お船では食糧に必ずわいてくださるおなじみさん:英語で「ウィービル」)と害悪(イービル)をかけていたのでした。海軍らしいダジャレでした。よかったよかった、ジャックが馬鹿でなくって。
でも確かにこれ、字幕では説明しがたいですよね。

★回頭してアケロンの後ろにつけたときのコメント

Jack:Now,don't count your eggs before they're in the pudding, Mr.Calamy. ジャック:プディングになる前に卵を数えるな、だぞ。ミスタ・カラミー。

英国版「捕らぬ狸の皮算用」。
なるほど、卵とプディングですか。どこにも同じようなことわざがあるものですね。


★呼び方

Jack: Thank you, lads. ジャック:感謝するぞ、諸君。

ネイグルとウォーリーがアケロンの模型を持ってきたときの台詞。
この「Lads」というのは若者、少年という意味、親しみを込めた呼びかけとして仲間、兄弟、やつ、みたいなときに使うようです。特に水夫への呼びかけに使う、とも辞書にあります。
日本語に訳せないですね。古いSFでキャプテン・フューチャーシリーズ(エドモンド・ハミルトン著)というのがありますが、主人公の育ての親である老科学者(の脳)が、主人公をよくこう呼んでいました。訳者は訳しきれないので、そのままにしてみたり「若いの」にルビで「ラッド」と表記したり、苦労してましたっけ。